ゲーム業界

ここでは、オンラインゲームの発達にともなって、ゲーム業界で使われるようになった特殊な音声合成技術や、その活用例をご紹介します。

ゲーム業界と音声合成の現状

 オンラインゲームの普及に伴いユーザー同士のコミュニケーションの輪が広がっているだけでなく、ゲーム業界では高度な音声合成技術を用い、ユーザーとゲームの中のキャラクターとがコミュニケーション取れるよう、仕組み化が進んでいます。

ゲーム業界で音声合成が注目される理由

ゲームの盛り上がりやユーザーの愛着を左右するキャラクターの「声」。従来は、あらかじめ声優やナレーターが台本通りに読んで収録したままの「声」なので、既存のセリフ以外はそのゲーム上に存在させる事ができませんでした。しかし近年では、プレイヤーとの応答がアドリブでできるように加工し、ユーザーをさらにゲームの世界へ没入させる工夫が施されています。そのため、多くのゲーム会社が音声合成技術を取り入れているのです。

ゲーム業界における音声合成例

ゲームキャラクターの「声」の条件

ゲーム業界で必要とされている「声」の条件は複雑かつハイレベル。

  1. 人の声に限りなく近く、聞いていて違和感のない声

  2. ゲームの世界観になじむ声質

  3. 会話や同時に声を発した時に、他のキャラクターと調和する声

  4. ユーザーと対話する時に、その状況に応じたトーンを使い分けられる声

  5. 喜怒哀楽の感情を込めた声

特に物語の中で重要なキャラクターや、RPGなどでプレイヤーと長時間行動をともにするパートナー的なキャラクターの場合は、声質やボキャブラリーの豊富さ、アドリブができる柔軟性などが求められます。

自動音声生成技術「プロシャージャル」

現在、ゲーム業界で注目されているのが「プロシャージャル」。状況に応じて変わるキャラクターのセリフや、プレイヤーとの応答を自動生成できる技術で、ゲームの開発中に起こるセリフの変更がしやすい利点があります。

音声合成技術を活用して作られたゲームの事例をピックアップしました。

カプコン「特撮体感VR 大怪獣カプドン」

プレイヤーが怪獣になって、街を壊しながら、さらわれた子ども怪獣を救出するVRゲーム。低予算で納期が短いという悪条件を、パソコン1台でできる音声合成ソフトで解決。「昭和レトロな怪獣」という設定に合った「声」が好評で、音声合成ソフトでによって世界観を見事に表現させています。

参照元:株式会社エーアイ公式HP:https://www.ai-j.jp/client/voice20/

セガ「StarHorse3」

セガの競馬をモチーフにしたアーケードメダルゲーム「StarHorse3」。競馬の実況中継の音声を音声合成ソフトで作成しています。実況アナウンサーの音声を「ハイテンション」「ノーマルテンション」の2種類で収録し、データベース化。スタートからゴールまで、徐々にテンションが上がっていく競馬の実況中継の緊張感を再現することに成功しました。

参照元:株式会社エーアイ公式HP:https://www.ai-j.jp/topics/1607/

パソコン1台で完結する音声合成ソフト

音声合成ソフトの利点は低コストで操作が簡単、思い通りの音声が生成できるということです。音声データを蓄積して辞書のように使うこともできるので、今後もゲーム業界にとって欠かせないものになるでしょう。

本サイトではゲーム業界での利用が期待できる「音声合成ソフト」のおすすめを、ニーズ別に紹介しています。
目的に合うソフトがあるか、ぜひ下記3選をご確認ください。

目的に合ったものはどれ?
ニーズ別音声合成ソフトのおすすめ3選

音声合成ソフトは入力した文字情報などを基に、電話の自動応対やe-learning教材、カーナビ、ゲームのキャラクターなど、さまざまな場面で「声」の役割を担ってくれるものです。
本サイトでは、数ある音声合成ソフトの中でも他社に負けない強みを持った3社を、その特徴ごとに紹介しています。

調整が簡単で質の高い
音声合成をしたい

AITalk®
(株式会社エーアイ)
特徴
先端ディープラーニングを導入した独自の技術で、
音質・肉質感の向上、多様な発話表現を実現。
利用シーン
日本語・英語・中国語をメインに、
品質重視のカーナビや館内放送、ニュース読み上げなど

芸能人の声を使った
音声合成をしたい

コエステーション
(コエステ株式会社)
特徴
9万以上の一般ユーザーだけでなく、
40以上に
のぼる有名人などの
豊富な「コエ」の数。
利用シーン
世界観やPR要素重視の
ゲームやYouTube動画など
(エンタメ系)

外国語をメインに
音声合成をしたい

ReadSpeaker
(HOYA株式会社)
特徴
中国語と区別して広東語も。
日本語、英語(アメリカ・イギリス)、韓国語をはじめ、
24言語に対応。
利用シーン
観光案内や美術館の音声ガイダンスと
いった、
外国籍の方の利用が多い場所など

【選定基準】Googleで「音声合成ソフト」と検索して出てきた、14社の中から、以下の条件に当てはまる企業を3社選出しました。(2022年2月調査時点)
・AITalk®
日本語話者が最多。ディープラーニングを用いた先端技術であるDNN音声合成を使った独自エンジン
・コエステーション
声優や芸能人などプロの声数が最多
・ReadSpeker
外国語の種類が豊富で、唯一外国語におけるイントネーション調整が可能。