音声合成ソフトと著作権の関係性

さまざまな分野で、制作物に対する「著作権」が発生するケースがあります。本記事では、音声合成ソフトで作成した音声データにおける著作権について掘り下げ、解説します。

音声合成ソフトで生成した音声データに著作権はある?

「著作権」は、撮影された写真や制作された音楽など、「思想や感情が表現されている」制作物に当てはまる権利です。こうした制作物は著作権法で保護されているため、許可なく第三者が使用することはできません。

また、著作権は文芸・学術・美術・音楽などに当てはまる制作物に適用される権利です。具体的には、小説や脚本、音楽、映画、写真、地図、映画などが挙げられます。また、「外部に向けて表現されたもの」であることも著作権法で定められています。形として表現されていないものは、著作権法が適用されません。

著作権法に則って音声合成ソフトで生成した音声データに著作権法が適用されるかを考えてみます。音声データの場合、「思想や感情が表現されている第三者が制作した制作物」を音声データが読み上げている場合は、著作権法に抵触します。逆に、思想などが表現されていない文章を読み上げているのみであれば、著作権の侵害には当たらないと考えられます。

ちなみに、著作権法で保護されている制作物であっても、個人や家庭内など、仕事や商用意外の目的で使用するのであれば、著作者の許可を得なくてもコピーをしたり、編集することが可能です。レンタルCDを借りてテープに録音し、自宅で聴く分には著作権の侵害に当たらないのと同じだと考えてよいでしょう。

音声合成ソフトで著作権を侵害しないための注意点

使用する元原稿が著作権に抵触しないかを確認する

音声合成ソフトで読み上げる元原稿が、著作権に抵触しないかどうかを確認した上で使用すれば、著作権を侵害する恐れがありません。「思想や感情が表現された原稿でない」、「創作的に表現されていない」、「文芸作品や学術、美術、音楽に属する作品でない」原稿であることを確認した上で利用しましょう。

商用利用が可能な音声合成ソフトを使用する

商用利用不可の音声合成ソフトは無料で利用できるものが多いですが、商用利用不可のソフトを商用利用してしまうと、音声データに使用する制作物とは別に、ソフトの著作権を侵害する恐れがあります。商用利用可の音声合成ソフトであればこうした心配がないため、確認した上で商用利用が可能なソフトを使用することをおすすめします。

ただし、商用利用が可能なソフトでも、作成した音声データ自体を素材として配布したり、販売することを禁止しているケースがありますので、利用目的と照らし合わせた上で選ぶことが望ましいです。

音声合成ソフトの基礎知識をチェック

著作権で保護されている制作物にはどのようなものがあるかを理解した上で、それらに当てはまらない制作物を原稿として利用するのであれば、著作権侵害の心配はありません。商用利用できるソフトを使用して、著作権に抵触する恐れのないものを元原稿として利用すれば安心です。

以下のホームページでは、音声合成ソフトに関するさまざまな情報を発信しています。音声合成ソフトの選び方や、音声データを制作する上で知っておくと便利なことなどを多数取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

音声合成ソフトの
基礎知識を見る

目的に合ったものはどれ?
ニーズ別音声合成ソフトのおすすめ3選

音声合成ソフトは入力した文字情報などを基に、電話の自動応対やe-learning教材、カーナビ、ゲームのキャラクターなど、さまざまな場面で「声」の役割を担ってくれるものです。
本サイトでは、数ある音声合成ソフトの中でも他社に負けない強みを持った3社を、その特徴ごとに紹介しています。

調整が簡単で質の高い
音声合成をしたい

AITalk®
(株式会社エーアイ)
特徴
先端ディープラーニングを導入した独自の技術で、
音質・肉質感の向上、多様な発話表現を実現。
利用シーン
日本語・英語・中国語をメインに、
品質重視のカーナビや館内放送、ニュース読み上げなど

芸能人の声を使った
音声合成をしたい

コエステーション
(コエステ株式会社)
特徴
9万以上の一般ユーザーだけでなく、
40以上に
のぼる有名人などの
豊富な「コエ」の数。
利用シーン
世界観やPR要素重視の
ゲームやYouTube動画など
(エンタメ系)

外国語をメインに
音声合成をしたい

ReadSpeaker
(HOYA株式会社)
特徴
中国語と区別して広東語も。
日本語、英語(アメリカ・イギリス)、韓国語をはじめ、
24言語に対応。
利用シーン
観光案内や美術館の音声ガイダンスと
いった、
外国籍の方の利用が多い場所など

【選定基準】Googleで「音声合成ソフト」と検索して出てきた、14社の中から、以下の条件に当てはまる企業を3社選出しました。(2022年2月調査時点)
・AITalk®
日本語話者が最多。ディープラーニングを用いた先端技術であるDNN音声合成を使った独自エンジン
・コエステーション
声優や芸能人などプロの声数が最多
・ReadSpeker
外国語の種類が豊富で、唯一外国語におけるイントネーション調整が可能。